2019年4月に、新たな在留資格である「特定技能」が創設されるなど、政府は外国人労働者の受入れに積極的な姿勢を見せています。在留外国人(中長期在留者及び特別永住者)の数も、2019年6月末時点の速報値で約283万人と前年末比で3.6%増加し、過去最高となりました。
 在留外国人は、在留資格によって日本で行える活動内容や在留期間が異なることをこ存知でしょうか。今回は、知っているようで知らない「在留資格」についてこ紹介します。

1.在留資格の定義

 在留資格とは、外国人が日本に入国・在留して従事 できる活動、身分、地位について類型化し、法律上明らかにしたものです。現在、入管法上の在留資格制度では29種類、その他にも日韓法的地位協定に基づく「特別永住者」などの在留資格が存在します。

2.主な在留資格と確認方法

出典: http://www.moj.go.jp/content/001308162.pdf

 上の円グラフは日本に在留する外国人の構成比を在留資格別に示したものです。日本の在留外国人で最も多いのは「永住者」となっています。永住資格を取得するためには、原則10年以上日本に滞在し、その内5年以上は就労資格や居住資格(「定住者」、「永住者の配偶者等」、「日本人の配偶者等」の在留資格)で滞在することが要件の1つになっています。長期間日本に在留し、日本に生活の本拠があると考えられる「永住者」は、参政権などの一部の権利を除き、日本人と同等の権利を有していますので、活動内容や在留期間に制限はありません。

 活動内容・在留期間のいずれにも制限がない在留資格は「永住者」と「特別永住者」のみです。その他の在留資格では、活動内容や在留期間に制限があり、これらの制限の内容は、特別永住者を除く在留外国人に対して交付される「在留カード」で確認できます。
 例えば、「留学」や「家族滞在」の在留資格を有する外国人の在留カードには、「就労制限の有無」の欄で「就労不可」と記載され、原則として就労はできません。もっとも、資格外活動許可を得ることで1週間28時間までは就労が可能になります。コンビニのアルバイトなどで見かける外国人留学生は、この資格外活動許可を得て就労しています。
 また、「特定活動」及び「技能実習」の在留資格では、在留カードと併せて「指定書」で、当該外国人が日本で許可された活動の具体的な範囲を確認する必要があります。

 在留資格により就労の範囲が制限されている場合、制限を超えて就労すると不法就労になり、当該外国人とは別に雇用した事業主も不法就労助長罪に問われて処罰の対象となる可能性があります(入管法73条の2Ⅰ①)ので気を付けてください。
 在留資格確認のための書類は、いすれも重要書類ですので、企業の採用担当者は必す原本を確認し、採用後はハローワークヘの届出を忘れないようにしましょう。

3.在留外国人の今後について

 初年度4万人を受け入れる予定で創設された「特定技能」の在留資格は、2019年11月末時点で1019人を受け入れるに留まっているなど課題もありますが、政府は外国人労働者の受入れに積極的であり、在留外国人は今後も増加すると考えられます。
 各自治体では、日本に在留する外国人との共生の実現が課題となっています。日本語教育はもちろんのこと、その子どもたちにも十分な教育の機会が与えられ、国籍、宗教、文化などの違いを超えて尊重し合い、対等な関係
を築いていくことが大切だと思います。
 まずは、一人一人が関心を持って外国人在留制度を正しく理解し、日本社会全体で外国人の受入れの在り方を考える必要があるのではないでしょうか。
 在習資格や外国人の雇用についてのこ相談もお受けしています。お気軽にこ相談ください。

(弁護土 大江美香)

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