弁護士に転職して私自身にも色々な変化がありましたが、変わったことの一つとして、ビジネス書をよく読むようになったことが挙げられます。

前職(検察官)のころは、仕事柄、そもそもお金で動いてはならない仕事であり、ビジネスとはほとんど無縁でしたので、ビジネス書を読もうとするインセンティブがありませんでした。何か判断をする際にも、経済合理性で動くことは基本的になく、例えば、「捜査上(真相解明のために)必要か否か」という視点で物事を判断し、たとえお金がいくらかかろうと捜査上必要なら行うべきと判断するという感じでした。

しかし、弁護士になると、ビジネスに対する理解が仕事にも役立ちますし、弁護士自身が個人事業主のようなものですので、自分自身の経営やキャリアに役立つことから、自然とビジネス書をよく読むようになったのだと思います。

ところで、最近読んだ本で印象に残った本は、『シンプルに考える』森川亮(ダイヤモンド社)という本です(1年くらい前に出版された本ですが)。

森川氏は、あのLINEの元社長です。

ビジネスの本質は、ユーザーが本当に求めているものを提供し続けること、そのために、ユーザーのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集め、彼らが何ものにも縛られることなく、その能力を最大限に発揮できる環境を作り出す。
そのために必要なことだけをやり、不要なことはすべて捨てる。

森川氏がやってきたことはこれに尽きるそうです。

そして、表面的な価値に惑わされず、ユーザーが本当に求めているものは何か、「何が本質か?」を考え尽くし、最も大切なものを探り当て、そこに全力を集中させること、これがビジネスで成功する秘訣とのことです。

確かに、この本で展開されている森川氏の持論は、全てこのシンプルな考え方のバリエーションだと思います。

私自身を顧みたとき、日々の仕事の中で、どれだけ顧客視点で物事を考えられているか、時間などの限られた資源を顧客価値につながる本質的なものに集中できているか、など色々と考えさせられる本でした。